表面処理の種類
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銀めっき


銀メッキ(パール仕上げ)
銀のもつ独特の色調は古来より尊ばれ、金と並んで装飾品全般に活用されてきた。現代でも装身具、食器、バッヂ、トロフィー、メダル、楽器などに光沢銀めっきが利用されている。フルートなどの金管楽器に銀めっきを施すと音色がよくなることや、洋食器に銀めっきすることで水分の中の微生物や細菌が殺菌され、衛生上きわめて好ましいことなど、銀めっきの目に見えない利点は案外、一般の消費者にはあまり知れていない。
ただ、銀めっきの最大の弱点は大気中の硫化物によって褐色~黒色に変色することである。そのため、より効果的な変色防止処理が研究され、実用化されているが、もっとも効果的な方法は銀めっき上にきわめて薄い(フラッシュ)ロジウムめっきを施すことである。もっともロジウムは大変高価な金属であるから、付加価値の高い製品にしかお奨めできない。
一時的な変色防止法として広く活用されている方法には、クロメート処理(浸清または電解)やクリア塗装がある。実際問題として銀めっきの美観を長く保つ方法は、まめな手入れということになろう。
この硫化変色を逆に利用して、銀めっきを硫化物処理した銀古美やいぶし銀は、渋みのある、落ち着いた色調として装飾品などに広く利用されている。
銀めっきは金めっき同様、電子工業には欠かすことのできないめっき技術である。金ほど高価格でなく、電気伝導性は金属中で最良という優れた物性から、きわめて広範囲な分野で利用されている。
銀めっきは、
・コネクタ、端子、スイッチ類などへの光沢めっき(Hv1OO~150の硬質銀)
・トランジスタステムやICリードフレームへの高純度無光沢(又は半光沢)めっき(軟質銀)
という二通りの使われ方がなされている。後者の場合は金めっきの代替えという意味合いが強く、それだけに厳しい特性が要求される。
銀めっきの工業利用、使用目的の一例を下表に示した。
銀めっきの工業利用、使用目的
利用分野 | 適応部分 | 使用目的 |
---|---|---|
重電 | 断道図(40~80μm)、遮断器の気中開閉器 やカットアウト類など可動電極部(15~25μm)、碍子端子、変圧器端子、分電盤・配電盤のブスバー(1~10μm)、遮断器の接触 部(1~10μm)、溶接機アーク部、フラッシュバット電極など。 | 電気伝導性 低接触抵抗 ハンダ付け性 |
弱電 | 各種スイッチ、接点、端子、コネクター(5 ~10μm)、リードフレーム、ステム。 | 電気伝導性 ハンダ付け性 低接触抵抗 |
航空機 | 軸受、かん合部分、高温環境でのボルト、ナットなどに非常に多く利用される。 | 潤滑性 焼き付き防止(耐 熱性) |
マイクロ波回線 | 導波管(ミリ波帯域) | 平滑性 高周波特性 |
銀めっきにも金めっきと同様、膜厚と種類に関するJIS規格があり、また硬さや密着性、耐食性、ハンダ濡れの規定は金めっきと同じである。
なお、銀めっきは非常に硫化変色を起こしやすいため、めっき後に変色防止処理が施されているが、電気接点関係では、クロメート処理による変色防止よりも、オイルコーティング(白色ワセリン系)による変色防止の方が銀の特性を損なわない場合もある。また、他のめっきにはない粘りや潤滑性を利用した固体潤滑皮膜としての用途(軸受けなど)もある。
(06版電気めっきガイド:全国鍍金工業組合連合会より)
メッキ名称 | 銀めっき |
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他の呼び名 | Agメッキ |
対応規格 | ASTM B700、QQ-S-365 |
特 性 | |||||
装飾 | ○ | 熱的特性 | 耐熱性 | ||
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防錆・防食 | 熱吸収性 | ||||
耐摩擦特性 | 熱伝導性 | ||||
機械的特性 | 硬度 | 熱反射性 | |||
潤滑性 | 物理的特性 | ハンダ付け性 | |||
寸法精度 | ボンディング性 | ||||
肉盛り性 | 多孔性 | ||||
型離れ性 | 非粘着性 | ||||
低摩擦係数 | 接着性 | ||||
二次加工性 | 密着性 | ||||
馴染 | ○ | 化学的特性 | 耐薬品性 | ||
電気的特性 | 電導性 | ◎ | 汚染防止 | ||
高周波特性 | 抗菌性 | ○ | |||
磁性 | 耐刷性 | ||||
低接触抵抗 | その他 | 海水腐食防止 | |||
抵抗特性 | 写実・再現性 | ||||
光学的特性 | 反射防止性 | ||||
光選択吸収性 | |||||
光反射性 | |||||
耐候性 |
基 材 | |
アルミ | ○ |
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マグネシウム合金 | ○ |
SS | ○ |
SUS | ○ |
チタン | |
銅 | ○ |